回復
HRVは手首に表示される数値のなかで最も個人差が大きく、それでいて最も他人と比べたくなる指標です。この二つは真っ向から矛盾しており、比べるほうはほとんど役に立ちません。
目安としては、20代で50〜100ms、40代で35〜60ms前後(睡眠中のRMSSD)。ただし同年代の健康な人どうしでも数倍の差が出るため、目指すべき数値というものは存在しません。行動を変えられるのは自分のベースラインと、今日がそこからどれだけ離れているかだけです。
| 年齢 | 男性(中央50%) | 女性(中央50%) |
|---|---|---|
| 25歳 | 50〜100ms | 45〜90ms |
| 35歳 | 40〜80ms | 38〜75ms |
| 45歳 | 35〜60ms | 30〜55ms |
| 55歳 | 25〜50ms | 25〜45ms |
| 65歳 | 20〜40ms | 20〜40ms |
中央値は20代後半で47〜52ms前後、60代では20ms台前半まで下がっていきます。持久系のアスリートでは90〜100msを超えることも珍しくありません。だからといって、低い数値が異常で高い数値が優秀ということにはなりません。
安静時の心臓は、実はメトロノームのように規則正しく打っているわけではありません。1拍ごとの間隔にわずかなゆらぎがあり、これは副交感神経が働いている証拠です。ゆらぎが大きい(HRVが高い)ほど身体は回復モードにあり、小さい(HRVが低い)ほど交感神経が優位で、まだ何かに対処している状態を示します。
ここまでは各社の説明どおりです。問題はその先で、数値表を見ても「で、今日どうすればいいのか」がわからないところにあります。
同じ30歳で同程度の体力の二人でも、HRVが3倍違うことがあります。HRVは年齢・性別・遺伝・安静時心拍数・体勢・呼吸数・測定した時刻、そして使っているデバイスのアルゴリズムに左右されます。睡眠中に測るブランドと、座位で2分間測るアプリの数値は一致しません。
結論ははっきりしています。他人と比べても情報はほぼゼロで、統計表と比べてもそれほど変わりません。意味があるのは、今日の数値と自分の30〜60日ベースラインとの差だけです。
1日だけの低下はノイズです。数日続く低下、とくに安静時心拍数が上がってきているときは、自律神経がまだ処理しきれていない負荷を報告しています。よくある原因を、実際に当てはまる頻度の順に挙げます。
ここがすべての回復デバイスの限界です。HRVも安静時心拍数も結果にすぎません。「身体に負荷がかかっている」ことは教えてくれますが、その負荷が何だったのかは教えてくれません。最も多い原因の二つ——実際のトレーニング内容と、食べた量——はどちらも時計には測れないからです。
減量期にHRVが下がり続けているとき、それがオーバートレーニングなのか単なる食事不足なのかは、食事と睡眠を同じ画面で見なければ判断できません。そして対処法は正反対です。
Nutri MacroはHRVと安静時心拍数を、その日のトレーニングと実際に食べた内容の隣に並べて表示します。Apple Health、Google Fit、ヘルスコネクト、Samsung Healthから読み込むので、いま使っている時計をそのまま使えます。
万人に当てはまる「正常値」はありません。目安としては睡眠中のRMSSDで20代が50〜100ms、40代が35〜60ms前後ですが、同じ年代の健康な人どうしでも数倍の差が出ます。判断材料になるのは自分の30〜60日ベースラインと、今日がそこからどれだけ離れているかだけです。
1日だけの低下はほぼノイズで、心配する必要はありません。数週間にわたってベースラインを下回り、しかもトレーニング・飲酒・食事で説明がつかず、安静時心拍数も上がったままという場合は、睡眠時無呼吸や甲状腺・心疾患などが背景にあることもあるため、医師に相談する価値があります。
睡眠を増やして就寝時刻を早めることが最も効果の大きい対策です。次に飲酒を減らすこと、極端なカロリー不足を避けること、強度の高い日と本当に楽な日を組み合わせること。ゆっくりした呼吸(毎分5〜6回を10分)も即効性があり、続ければベースラインも上がります。
測定する時間帯と区間、アルゴリズム、センサーの位置がすべて異なるためです。睡眠中の平均を取るブランドと、深い睡眠の最後の周期だけを使うブランドでは同じ夜でも別の数値になります。HRVは同じデバイス内での推移としてのみ比較してください。
カロリー不足そのものが生理的なストレスだからです。安静時心拍数が上がりHRVが下がるという、オーバートレーニングと見分けのつかない形で現れます。回復系アプリは食事を見ていないため原因を指摘できません。厳しい減量中に数週間かけてゆっくり下がっているなら、トレーニングを削る前に食事量を見直してください。
睡眠中か、起床直後の安静時です。大切なのは毎回同じ条件で測ることで、時刻・体勢・デバイスを揃えてください。日中の測定は動作や呼吸、カフェインの影響を受けやすく、前日と比較する用途には向きません。
HRVは、それを動かした原因が同じ画面にあって初めて役に立ちます。Nutri MacroはHRVと安静時心拍数を、記録したトレーニングと食事の隣に置きます。
NutriMacro は iPhone と Android 向けの食事・トレーニング記録アプリです。バーコード、写真、検索で食事を記録し、グラムではなく個数や一人前で数え、筋トレ、GPS アクティビティ、睡眠、回復を同じ一日の画面にまとめます。108 か国で端末の言語に対応します。
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